工作機械活況の現状

日本の工作機械活況が伝えられている。

世界的に経済が安定し、自動車、IT、家電など消費市場が向上しているとのこと。

弊社客先は主に自動車、スマートフォン、事務機器、ゲーム機関連だが、

機械、特に自動化での引き合いが旺盛だ。

機械の要素部品であるボールねじ、スライドガイド、ベアリング、制御式モーター、PLC、多間接・単軸ロボットなどの部品が多い。

その中でも、需給が逼迫しているのがボールねじやスライドガイドである。

日系メーカーのTHKやNSKなど大手では、10-12ヶ月と通常の2-4倍の納期のものもある。

弊社へ「中国市場にとられているから、中国で調達できないか?」など日本のユーザーからの引き合いもある。

多少、中国で在庫しているものも一部はあるが、ほとんど日本と同様だ。

 

上記大手メーカーも、稼動時間増加や工場投資などで対応しているが、焼け石に水の状態。

弊社でも台湾系を提案せざるを得ない状況で、

既に台湾系、中国系に切り替えをしているユーザーもかなり多い。

精度・寿命などは日系に多少劣るが、

納期3-4分の1、価格3分の2と比べれば、

少なくとも、前向きに検討をし、結局納期が追いつかず、台湾製を使用せざるを得ない。

1-2年後、日系大手メーカーがボールねじ、スライドガイドの納期対応ができる頃、

既に市場は取られている。

 

スマートフォンの製造工程でも、今まで日本製を使用していたのが、

中国製切削機械に切り替わっている。

加工精度はほぼ同じ、ただ生産効率が1割ほど中国製が悪い(遅い)。

機械の納期は3分の一、機械価格は半分。

スマフォ市場は1年で型式が変わり、その都度サプライヤーへの発注も変わるので、

マーケットに対し、フレキシブルな生産体制を作っていく場合、

当然、中国製を使用することになる。

 

「日本製じゃないと、精度が出ない」という神話が崩れてつつある。